「いいー恰好ね!留三郎!!」
私は目前に広がる光景に満足し、仁王立ちで声をあげる。
目は爛々と輝き、自然と口元が緩むのを止められない。
両手足を縄で拘束され体の自由を奪われた用具委員長は、用具倉庫の床に寝転がった体勢のまま、キッとこちらを睨みつけた。
丁寧に猿ぐつわも噛ませているので、文句を言おうにも「んーんー!」というくぐもった声が漏れるだけ。
薄く頬を染めたその表情に、私はぞくぞくと体を震わせた。
こういうものは、抵抗されればされるほど燃えるというものだ。
普段可愛げのない彼だからこそ、こうして身も心も支配したくなるという乙女心……
……立花仙蔵あたりだったら、とてもよく理解してくれそうだ。
うつ伏せのまま芋虫のように体をくねらせ逃げようとする彼の背を、ぐっと踏みつける。
「んぐっ!」と色気の欠片もない嗚咽を漏らし、留三郎はその場でピタリと動きを止めた。
「んっふっふっふっふ。さぁ、どうしちゃおっかなぁ〜?」
楽しげに見下す私を、留三郎は顔から上だけをこちらに向けてひきつった表情で見やる。
そんな表情も、今の私には興奮を高める材料にすぎない。
私はその脇腹をそっと爪先で小突いて彼を仰向けにさせた。
上半身だけを壁にもたれ掛け座らせると、足の拘束を解いてぐっと左右に開く。
そのまま再び立ち上がり、その中心へと足を降ろした。
「んんー!!!!」
「え?何?気持ちいいの?」
口元をあげぐりぐりと踏みにじれば、留三郎は吐息に混じって鼻にかかった声をあげ、どこか切なそうに眉を寄せた。
その表情に、私は己の欲望がみるみるうちに満たされていくのを感じる。
緩急をつけて予測できないように踏みつけると、彼はそのたびに「んっ」と短く声をあげた。
どれくらいそうしていただろうか、じんわりと深緑色の布に液体が滲む。
ついにその目にもうっすら涙が浮かぶのを見て、私はようやく足を彼の中心から外した。
ずいっと留三郎の顔に自分の顔を寄せ、猿ぐつわも外してやる。
「女の子にそんなところを踏まれて感じちゃうなんて……変態!!」
「お前にだけは言われたくないわ!!」
ニッコリ笑って言い放てば、間髪入れずに突っ込まれる。
留三郎はあがっていた息を抑えるように何度か深呼吸をし、ザッと立ち上が……
ろうとして、再びふにゃふにゃと床にへたりこんだ。
その顔は耳まで真っ赤である。
私は「ははーん」と意味有り気に呟き、
「あるぇー?もしかして立てないの?感じすぎちゃって立てないの!?」
「う……うるせぇ!」
「ほぅ。そんな口をききますか。」
私は尚もニヤニヤと笑った。
そんな私を見て留三郎は悔しそうに唸り声をあげるが、そんな姿が可愛らしくすら思える。
生意気な口をきいてくれちゃった彼にお仕置きと言わんばかりに
私は戸惑うことなく留三郎の足と足の間へと手を伸ばした。
そのままぐいっとそこを鷲掴みにする。
「ちょっ、お前いい加減にしてくんない!?」
「そんなこと言って、本当は触って欲しくてたまんないくせに。」
そのまま服の上からゆるゆると撫で上げれば、留三郎は再び甘い吐息を漏らした。
先走りが作り出した染みは大きくなっていくばかり。
「ホラ、見て?こんなに濡らして、恥ずかしいなぁー、留クンは。」
「……っ、だから…やめろ、って……!」
「本当にやめていいの?」
言ってピタリと手を止める。
そのままそこから手を放すと、今度は辛そうに顔をゆがめる留三郎。
“口では嫌だと言っていても体は正直”とはよく言ったものだ。
すがるように目線だけで訴えてくる留三郎に、しかし私はじらすように、
「ね、どうして欲しいの?ちゃんと言わなくちゃ分からないでしょ。」
「善法寺にでも処理してもらう?」と笑って言えば、「馬鹿言うな」と掠れた声で返事が返ってきた。
男としてのプライドがそうさせるのか、留三郎は押し黙ったままピクリとも動かない。
なかなか強情なヤツだ。
きつく噛み締められた唇に自分のそれを押し当てる。
いい加減可哀そうになってきたので、口づけをしたまま、手を縛っていた縄を外してやった。
「今日はこの辺で勘弁してあげる。」
一息ついて。
「……でもね、留三郎。」
私は知ってるよ?
本気で嫌だと思えば、これくらいの拘束、彼ならば簡単に逃げられる。
仮にも忍術学園の六年生ともあろうものが、縄抜けくらいできないはずがない。
「ねぇ、どうして逃げなかったの?」
わざと口の端を上げて訊けば、留三郎は赤く染まった頬を隠すかのように私から顔を背けた。
私はクスリと微笑を一つ。
―――これだから、やめられないのだ。
ふたりあそび
24000Hit紫姫さんへ…!
こんな妙な……っていうかぶっちゃけ下品なものを人様に押しつけて良いものか……。
リクは押せ押せ強気主人公で、ギャグ甘+変態及び腐女子要素とのことでしたが…これむしろ微裏…?
どこら辺が甘いのか、自分を問い質したい気持ちでいっぱいです。
短めですが、内容は変なふうに濃いと思います……ってかこれ食満Mじゃん。
とにもかくにも、キリリク有り難うございました!
08"10,21.
鈴さま、ありがとうございました!
いやいや、もうS主人公と×Mキャラ・・・大好きなのでニヤニヤしっぱなしです。
きっと真っ赤になりつつも逃げなかったあたりが甘いのかと。
私は微甘だと信じてますよ!
それでは、本当にありがとう御座いました!!